お洒落で本格的なジャズ喫茶ーJazz Cover Art Gallery, Jazz Listening Cafe, and Jazz Wine Bar PARAGONIANその2:オーデイオ編2024年03月08日

  ジャズ喫茶「パラゴニア」当初の訪問目的は、LPレコード発売黎明期に活躍したLPジャケット制作者デーヴィッド・ストーン・マーチン絵画の鑑賞であったが、店内に設置されているオーディオ機器に驚いた。オーディオ・マニア憧れのスピーカー、家具調のJBLのヴィンテージ・スピーカー「パラゴン」が設置されていた。

リトグラフ画像下の家具調JBLのヴィンテージスピーカー「パラゴン」

   このスピーカー、実は岩手県奥州市水沢にあったジャズ喫茶「ハーフノート」で、2021年にマスターが亡くなるまで、長らく使用されていた由緒あるヴィンテージ・スピーカー。スピーカーを譲り受けたマスターは、店名にこのスピーカーにちなんで「パラゴニアン」と命名したとのことである。

                   「ハーフノート」で使用されていたJBL Paragon(パラゴン)スピーカー

 ここで、「パラゴン」について補足する。オーディオ・ファンにとって一度は名前を聞いたことがある名機パラゴンは、1957年から1983年まで約1000台が製造された。日本では、1965年山水電気が輸入を開始し、本格的に流通した。ステレオ方式による、3ウェイ・6スピーカーの画期的なフロアー型スピーカーである。パラゴン製造には高い技術を持つ木工職人を必要とし、、全て手作業で制作された。 JBL社において、ただ一人残った職人は日本人。この最後の日本人が引退した1983年に製造が終了した。この様な背景から日本人にも人気のあるスピーカーである。

 使用アンプは、「パラゴン」と相性のよいMacintosh の最上位機種。

パワーアンプMC2301は、出力段にジャズ向きのKT88真空管8本を使用し、真空管アンプとして驚異の300Wの高出力を実現。プリアンプC1000/Tは、豊潤且つ繊細な表現で音楽の楽しさを魅了する真空管アンプである。

 使用レコードプレーヤーは、Nottingham Analog Studio Space Deck HD,および Thorens TD-124 MkII。カートリッジは, Ortofon SPU-GT, Shure. V15 Type III。こだわりの防音設計と豪華なオーデイオシステムで、話し声も聞こえないほどダイナミックで生演奏の様な至高のアナログ・サウンドを楽しむ事ができた。

AMP Macintosh MC2301・ C1000C/T

  もう1台入口ドア側に設置されたスピーカーは、やはりJBL社の「EVEREST」である。「EVEREST」は、アナログからデジタルへと移行しようとした時代に「パラゴン」に代わる新たなフラッグシップスピーカーとして開発された。 EVEREST <DD55000>は、何処にいても正確なステレオイメージが得られるという、全く新しい技術を用いて1985年にパラゴンの創造性溢れるステレオを受け継いだ傑作品として誕生した。

 パラゴニアンではCD演奏の際、この「EVEREST」を利用して高音質のサウンドを提供している。CDプレヤーはESOTERIC。CDによるEVERESTを利用した演奏は、PARAGONに比べ大型スピーカーにしては意外と静か。高音質で、透明感のある質感の高い素晴らしいサウンドであった。

      入口ドア付近に設置された JBLスピーカーEVEREST DD67000

 LP、CDという異なる音源は、それぞれ相性の良いスピーカーを使い分け、二通りの極上のサウンドを体感できるジャズ喫茶店である。

  最後に、店内で流れるLPレコードから私の好きなモダン・ジャズの名盤Miles Davis QuintetーLound Midnightをお楽しみ下さい。演奏は下記URLをクリック願います。

https://www.youtube.com/watch?v=GIgLt7LAZF0


お洒落で本格的なジャズ喫茶ーJazz Cover Art Gallery, Jazz Listening Cafe, and Jazz Wine Bar PARAGONIAN その1: アート編2024年03月06日

 久し振りにジャズ喫茶店を訪れたいと思い、仙台近郊のジャズ喫茶を探した。すると、店内にジャズカバーそれも私の好きなチャリー・パーカー、カウント・ベイシー、ビリー・ホリディ、スタン・ゲッツ等、ジャズ黄金時代に数多くのジャケット・デザインを手がけた伝説的アーティスト「デヴィッド・ストーン・マーティン」(以下DSMと略)の大きな石版画を店内に展示しているジャズ喫茶、「パラゴニアン」を発見。 今回は、ジャズ喫茶&ワインバー、カバーアートギャラリー「パラゴニアン」のアートについて紹介する。
 「パラゴニアン」は仙台に隣接した東北地方で最も古い歴史のある街、「多賀城市」に2022年12月オープンしたジャズ喫茶店である。
ジャズ喫茶&ワインバー カバーアートギャラリー 「パラゴニアン」
  店内に入ると、期待通りの貴重なDSMのアートを始め、更に音に定評のあるJBL社のスピーカー「 Paragon」 や「Everest」を備えた本格的なジャズ喫茶であった。まずは、DSMの描いたリトグラフ画像を紹介する。
 写真の様にLPレコードのジャケットよりも大きなDSMの貴重なリトグラフの画像が飾られていた。左から、ビリーホリディの①ALL or Nothing at All,②Billie Holiday Sings,③ノーマン・グランツによって開催されたコンサートJATP(Jazz at the Philhamonic) Vol.4コールマン・ホーキンズとレスター・ヤングが収録されたLPに使用されているリトグラフである。
 その他、壁面には数枚のDSMのリトグラフ画像とBLUE Noteジャケットの中でも最も人気のある「Cool Struttin' / Sony Clark」Blue Note1588の闊歩する女性の足をアップで切り取った、先鋭なセンスと独創的なアイディアのアルバムも展示されていた。

  Blue Noteジャケットで最も人気のある「Cool Struttin's / Sony Clark」Blue Note 1588   も展示 右端参照

 さらに、トイレ内にも今まで見たことのないDSMのモダンなデッサンも飾ってあった。 DSMのリトグラフを中心に、約400枚のLPを収集する熱烈な愛好家であるマスターのマニアックな一面を窺うジャズ喫茶である。

 最後にDSMデザインが冴える、宙を飛ぶ二人のテナー奏者の壮烈なバトルを描いたジャケットとして知られるLPから、バラード「エンブレイサブル・ユー」をお届けして終わります。ロイ・エルドリッジ(Roy Eldridge)からパーカー(Charlie Parker)の受け渡しをお楽しみ下さい。

演奏は下記URLをクリック願います。

https://www.youtube.com/watch?v=mkMIFNoLtVo

 お洒落で本格的なジャズ喫茶ーJazz Cover Art Gallery, Jazz Listening Cafe, and Jazz Wine Bar  PARAGONIANその2:オーデイオ編ヘ続く

澤井 清ベストブログ集2:白鳥をウォッチしてジャズを聴く2023年11月28日

 皆さんは、渡り鳥「白鳥」の飛来地 宮城県の「伊豆沼」をご存知ですか?
 本ブログは、宮城県「伊豆沼」に越冬のため飛来する白鳥情報と白鳥の写真。伊豆沼を望みジャズを楽しめるジャズ喫茶「カフェ・コロポックル」の紹介。さらにチャイコフスキー作曲「白鳥の湖」をジャズピアノで演奏する、様々なジャズピアニストの演奏やCDを紹介したジャズファンにとって必見のブログである。詳細は下記URLよりアクセス願います。
https://wni30fioix9p.blog.fc2.com/blog-entry-18.html