仙台門松をご存知ですか?2024年01月01日

 
今回は正月の風物詩とも言える「門松」を紹介する。斜めに切った三本の「竹」を藁で巻く「門松」であるが、実は明治以降に全国的に広まったと言われる。しかし、かっての仙台城下で飾られていた「門松」は現在知られている「松」を主役にしたものとは全く異なるものであった。  旧仙台藩で飾られた「門松:仙台門松」は、二本の心柱の大きな松と笹竹を取り付けて、門のように造り上げ、しめ縄を巻きつけた形式。中央に「ケンダイ」と呼ばれるしめ飾りを取り付け、鬼打木という割り木を根元に添えるものであった。
 
地域や家によって形や材料に多少の違いはあるものの、このような門松はほぼ旧仙台領全域で飾られていた。時代の流れにつれて姿を消し、個人宅でこの様な門松を飾ることはほとんどなくなった。
 
この様な伝統門松を仙台市博物館が再発見・研究を進め、2019年に4基の門松が仙台の街によみがえったのである。翌年は6基、3年目は12基、4年目の令和5年は17基、令和6年の正月には23基の「仙台門松」が神社、主な公共施設、ホテル、老舗商店、旅館等に設置される様になった。その中の一つ、老舗旅館に設置された伝統門松を復元した「門松」をご覧ください。
   
最後に、お正月に相応しい宮城道雄の「春の海」をお届けして終わります。本来なら「琴」と「尺八」の二重奏で有名な曲ですが、今回は私の好きな European Jazz Trio の演奏によるモダンな Haru no Umi(Spring Sea)をお楽しみ下さい。演奏は下記をクリック願います。

「春の海」 Haruno Umi(Spring Sea) European Jazz Trio